東京の母へ
昨年ぐらいから、その人を思うと何故か胸騒ぎするというか、何か嫌な予感みたいなものを感じていた。
連絡を取らなくなって5年ほど経つのかな。
今になってふと、元気ですかのメールを送った。
すぐにエラーメールで返ってきた。
そのアドレスは今はもう使われていなかった。
増す増す嫌な予感が大きくなる。
共通の友人にメールを送った。
久しぶりの近況報告と共に返事が返ってきた。ある意味、ホッとした。
しかし、返事の後半にそれは書かれていた。
「昨年夏に、○○さんが亡くなりました。」
何ヶ月も経って知る訃報は、やはり切なく、やり切れない気持ちになった。
あの時の胸騒ぎは、その知らせだったのかもしれない。
ゴメンね、すぐ、あなたの傍に行ってあげられなくて。
あなたと出会ってから22年。
僕がまだ20歳ぐらいだったかな。上京してすぐぐらいに出会った。
それから東京の母と呼ばせてもらった人。
いっぱい相談に乗ってもらった。
いっぱい安心をもらった。
いっぱい笑いをもらった。
いっぱい楽しさをもらった。
いっぱい未来への力をもらった。
また、もらいっぱなしになっちゃった。
その人はね、タロット占いを仕事でされてた。
一度だけ、僕も占ってもらった事がある。
その時に言われた言葉は、それからの励みとなり力となり、今も、そしてこれからも、ずっと消える事なく心に刻み込まれてる。
そのたった一度のタロット占いの後に言われた言葉は・・・
「あなたは、歌手になる為に生まれてきました。」
デビューする4~5年前の時だった。
本当に嬉しい言葉だった。
どうすれば恩返しができるかな?
やっぱり届けるしかないな。東京の母と呼ばせてもらったあなたの元へ、僕の歌を。
病を理由に立ち止まってるわけにはいかない。弱音を吐いてるわけにはいかない。
あなたの元へもう一度、いや、何度でも歌を届けられるように、僕はこの歩みを止めない。
もう少し、もう少し待ってて。
最高の歌のプレゼントを届けるから。
うるさいって迷惑がられても届けるからね(笑)
必ず届けるからね。
その日を待っててね。
東京のお母ちゃん。
光司より。